外来種ツマアカスズメバチの脅威が九州本土上陸

福岡県北九州市で「ツマアカスズメバチ」が見つかった

先月28日、敷地内にある高さ7メートルほどの木の枝に「スズメバチ」とみられる巣があるのを職員が発見。

巣は卵のような形で大きさが60センチほど。業者に依頼して駆除したが、在来種のスズメバチと特徴が異なっていたため調べた結果、外来種の「ツマアカスズメバチ」と判明したという。

■「ツマアカスズメバチ」とは?

和名の「ツマアカ」という呼称は、お腹の先端が赤みを帯びた色をしていることから名づけられた。

攻撃性は極めて高い

ツマアカスズメバチは非常に攻撃的で、一度攻撃をはじめると執拗に繰り返し、人間を追尾する。

また、山林だけでなく都会のマンションにも巣を作るため、台湾やマレーシアで刺されて死亡したケースもある。

そして最大の脅威は”繁殖力”

さらに非常に繁殖力が強い。

ツマアカスズメバチは1つの巣からなんと数百匹の女王蜂が生まれ、女王蜂も含めて個々の蜂は群れずに単独で行動できる。

毎年10キロ以上のペースで生息域を拡大すると言われ、海外では、この10年ほどの間に韓国や欧州各国にまで拡大。

ヨーロッパでの流入状況は深刻で、ドーバー海峡を隔てたイギリスにも生息域を広げていく危険性が、研究者より指摘されている。

2005年にフランスでも記録されると、2012年までに生息域はポルトガルベルギー、ドイツにまで達している。

さらに雑食性で特にミツバチを好む

食性はほかのスズメバチ同様肉食で、ハエ・ミツバチ・トンボなどなんでも捕食し、特にミツバチを襲う事が多い。

スズメバチ類は、生態系の上位に属する広食性の捕食性天敵で、生態系への影響が大きい生物。特に繁殖力の強いツマアカスズメバチの影響は大きい。

国内では2013年に長崎県対馬で初めて見つかり定着

日本では2013年に対馬で初めて見つかる。

対馬との間に定期航路がある韓国から、船に乗って侵入した可能性が指摘されている。

対馬北部では多数の巣が見つかり、養蜂に使うニホンミツバチを捕食していることも判明。

その後現在も対馬に定着、繁殖。

出典危険なスズメバチ、北九州で確認 対馬以外では初 | どうしんウェブ/電子版(社会)

 

このように生態系や養蜂業への影響が懸念される事から、今年1月に飼育や運搬が原則的に禁止される「特定外来生物」に指定。

九州本土や本州に上陸すれば一気に広がるおそれがあり、環境省対馬で駆除などの対策を強化していた。

対馬には天敵がいない事や巣を高い場所につくる習性などから、繁殖を止めることは今の所できていない。

ついに九州で見つかってしまったツマアカスズメバチ

今回北九州市で発見されたことで、長崎県対馬市以外の国内で確認されるのは初めてに。

ツマアカスズメバチ対馬以外(北九州市)に上陸したのかぁ。終わったな、日本。ここから一気に日本全国に広がりそう。

中国からの危険な外来種ツマアカスズメバチが、北九州に侵入しちゃったのか。数年後には、山とかで出くわすのかな・・・

侵入経路は不明。他に生息していないか調査を進める方針

関係者は「生息範囲が急速に広がる可能性がある。人を刺すほか、養蜂や生態系に悪影響を与える懸念もあり、拡大を食い止めたい」と話す。

環境省と同市はわなをしかけ、発見場所周辺で他にも生息していないかを調査するという。