外来種ツマアカスズメバチの脅威が九州本土上陸
先月28日、敷地内にある高さ7メートルほどの木の枝に「スズメバチ」とみられる巣があるのを職員が発見。
発見されたツマアカスズメバチの巣
■「ツマアカスズメバチ」とは?
体長はおよそ2.5センチ~3センチ。
全体は黒っぽく、腹部はオレンジ、脚の先は黄色。
和名の「ツマアカ」という呼称は、お腹の先端が赤みを帯びた色をしていることから名づけられた。
攻撃性は極めて高い
ツマアカスズメバチは非常に攻撃的で、一度攻撃をはじめると執拗に繰り返し、人間を追尾する。
また、山林だけでなく都会のマンションにも巣を作るため、台湾やマレーシアで刺されて死亡したケースもある。
そして最大の脅威は”繁殖力”
さらに非常に繁殖力が強い。
ツマアカスズメバチは1つの巣からなんと数百匹の女王蜂が生まれ、女王蜂も含めて個々の蜂は群れずに単独で行動できる。
毎年10キロ以上のペースで生息域を拡大すると言われ、海外では、この10年ほどの間に韓国や欧州各国にまで拡大。
ヨーロッパでの流入状況は深刻で、ドーバー海峡を隔てたイギリスにも生息域を広げていく危険性が、研究者より指摘されている。
さらに雑食性で特にミツバチを好む
食性はほかのスズメバチ同様肉食で、ハエ・ミツバチ・トンボなどなんでも捕食し、特にミツバチを襲う事が多い。
その後現在も対馬に定着、繁殖。
出典危険なスズメバチ、北九州で確認 対馬以外では初 | どうしんウェブ/電子版(社会)
このように生態系や養蜂業への影響が懸念される事から、今年1月に飼育や運搬が原則的に禁止される「特定外来生物」に指定。
対馬には天敵がいない事や巣を高い場所につくる習性などから、繁殖を止めることは今の所できていない。
撤去されるツマアカスズメバチの巣
ついに九州で見つかってしまったツマアカスズメバチ
侵入経路は不明。他に生息していないか調査を進める方針
北九州市への侵入経路は不明。
関係者は「生息範囲が急速に広がる可能性がある。人を刺すほか、養蜂や生態系に悪影響を与える懸念もあり、拡大を食い止めたい」と話す。
環境省と同市はわなをしかけ、発見場所周辺で他にも生息していないかを調査するという。